2017年8月5日土曜日

INTERVIEW / FFF



FFF

https://soundcloud.com/f-f-f

Mike Paradinas(µ-Ziq/Planet-Mu)から絶賛され、Jason ForrestやShitmatなどのアーティスト達も多大な影響を受けたと公言しているほど、シーンでの信頼は厚い
希代のラガコア/レイブコア・クリエイター「FFF」

初期のUKレイブ/ジャングル/デジタルハードコアなどに影響を受け90年代後半から楽曲勢作を開始。ブレイクコア/ラガジャングルを中心にエクスペリメンタル、スピードコア、ノイズなどの実験的な作品も製作し、様々な国のレーベルから作品をリリース。大型フェスティバルへの出演や日本、イスラエル、アメリカでのツアーなど、各国のオーディエンス、アーティスト達から大きな評価を得ている。

07年にはPLANET-MUより12"inchiを発表、その他にもMunchi、Bong-Ra、DJ TECHNORCH、m1dy、Hondaladyのリミックス制作、そして2011年にはMURDER CHANNELより初のフルアルバ「20.000 hardcore members can't be wrong」、DieTRAXとのスプリットアルバム「Hiroshima vs Rotterdam」を発表。



Q.
出身地について教えてください。生まれも育ちもオランダですか?

うん、生まれてからずっとオランダ。生まれてから19歳までフリッシンゲンにいて、その後ロッテルダムに引っ越して、そのままずっと住んでる。ロッテルダムは、引っ越し当初ほどでは無いけども、でも良い街だよ。ハコの数は随分減ったけど、でもまだ優良な音楽シーンは残ってるし。過去数年間のうちに良いハコがたくさん倒産しちゃったのは、悲しいことだけど。でも、それでも数多くの人々が素晴らしい音楽やレーベルを作ってるのは確かだよ。

Q.
貴方の音楽のルーツを教えてください。いつ音楽に興味を持ちましたか?最初に買ったレコードは何ですか?最も影響を受けたアーティストは誰ですか?

僕は物心ついた時から音楽に興味があって、レコードも小さい時から買い(集め)始めてた。最初に買ったのはメタルのレコードだったんだけど、家族に取り上げられちゃった(主にハードロック、サイケデリックロック)。

それから、10歳くらいの時に、いとこがヒップホップとかダンスホール系やオランダの "turn up the bass" 系(広範囲のダンスミュージックをフィーチャーしてる)コンピのテープを作ってくれた。あとは、ご近所さんが(その人は大量の音楽をコレクションしてて、音楽センスも最高だった)いつも僕の両親にレコードやCDを貸してくれてたんだけど、いつしか僕にもCDをくれるようになった。(KLFからThe Residents、ハードコアパンク系に至るまで何でも。)これがきっかけで、いろんな音楽にすごく興味を持つようになった。Rave系のレコードを1991年くらいから買うようになって、初のミキサーもこの時期購入した。そして、学校や誕生会のパーティーで友達とDJを始めた。これが転機だったと思う。それ以来、DJが僕の最優先事項になったからね。

僕が今に至るまでに影響を受けたアーティストは、数が多過ぎてとても全部は挙げられないけど。

特に重要なアーティストだけを列挙:
Bizzy B、KLF、全てのRiot Beats/DHRシーンのアーティスト、Kevin Saunderson、etc.

Q.
貴方の音楽からは"Rave"と"Jungle"の要素を強く感じますが、これらの音楽はリアルタイムで聴いていましたか?Rave、Jungleのパーティーには遊びに行っていましたか?

前述の通り、小さいときからそういう音楽を聴いてはいたけど、でも、まだ当時は若すぎて、そういうパーティーに行けなかった。でも、行ける年齢になってからは、もちろん地元のRaveパーティーに行ったよ。Jungle系が来たら、ちょっと離れた地域にまで聴きに行ったりもした。でも、悲しい事に、UKの巨大Raveにはまだ一度も行って無い。



Q.
貴方の最もお気に入りのレコードを10枚教えてください。

かなり厳選の10枚!!何時間でも聴いてられる…。

Inner city - Praise
Altern 8 - Full On Mask Hysteria
The KLF - Chill Out
Shag 'n' Skoob – Skooby Chewnz Vol. 1
Jungle House Crew – Total Kaos E.P
Various – Great British M.C.'s
LFO – Frequencies
Code 6 – Untitled
Edge Of Motion – Motionz Beyond
Noise Factory – Set Me Free / Bring Forward The Noise

Q.
いつから楽曲制作、そしてFFFの活動はいつ頃から開始しましたか?FFFの名前の由来は?
97年にカセットアルバム"Suicide"をリリースしていますが、これが最初の作品ですか?当時はどんな機材を使用していましたか?貴方は自主レーベル"Orange Socks"を当時スタートさせていますが、レーベルを始めたきっかけを教えてください。

DJを始めた頃に、作曲も開始した。とはいえ、まだ家にパソコンが無かったから、最初は友達の家のPCソフトのトラック上で遊んでただけなんだけど。それから、僕はパソコン以外の方法で曲を作るようになった。まず、カセットにループを録音して、それを自分のウォークマンから再生して、そこに妹のキーボードで演奏して。テープループや、フィードバックなんかも使った。どれもすごくノイジーだった…。その後の90年代半ばに、僕の両親が初めてパソコンを買って、それから僕は「FFF」としての活動をスタートした。

名前の由来は、当時人気があったFasttracker 2っていうソフトだよ。僕は、1列に255目盛りを設定してた(つまり、とことん速くしたってこと。)
そう、カセットアルバム"Suicide"が僕の最初のリリース。使用機材は、補助的に使ったギターエフェクトペダルと、あとは全てPCの中のFasttracker 2。

レーベル"Orange Socks"をつくったきっかけは、友達や自分の音楽をリリースするためだった。それから、気が会う人々にも出会うようになったから、彼らの音源もリリースした。

Q.
FFFは"Breakcore"のアーティストだと認識されているようですが、自分自信を"Breakcore"のアーティストだと思いますか?

うん、自分は"Breakcore"のアーティストだと思う。僕が思うに、"Breakcore"という言葉は、もう完全に元の意味とは違っている。最近では、様々なスタイルが融合したものの集合体を意味していると思う。最近の意味での"Breakcore"と僕の音楽は、ちょっと違うんだけど、本来の"Breakcore"って言葉が持ってた意味では、僕は"Breakcore"のアーティストだ。



Q.
貴方が「Bong-Ra」と一緒にオーガナイズしていたパーティー"Breakcore a Go-Go!" について教えてください。Bong-Raとはいつ頃出会いましたか?
"Breakcore a Go-Go!" には、どんなアーティストが出演しましたか?

Bong-Raとの最初の出会いは、僕の初ライブでもある2001年のロッテルダムのW‪aterfrontでの‬パーティーだった。
僕らは2人とも、同じ音楽に興味があった。そこで、当時の彼のマネージャー(Waterfrontクラブのプロモーター)が僕らにWaterfrontロッテルダムで夜のイベントをしないかと誘ってきた。これが"Breakcore a Go-Go!"の始まり。パーティーはどれも楽しかった、いつも好きなアーティストをたくさんブッキングしてて。しかも、多くの人にとって、あのパーティーが"Breakcore"への最初の入り口にもなってた。当時パーティーに関わってた多くの連中とは、今でも一緒に仕事をしてる。

"Breakcore a Go-Go!"出演アーティスト: DJ Scud, Aphasic, Parasite, Eitherherd,Society Suckers, Rotator, Christoph Fringeli, Hecate, Christoph de Babalon, Dev Null, Xanopticon,Electric Kettle, Copacod, Sickboy, Dionysosとか、全員は覚えきれてないけど。あの時期は素晴らしかった!!すげぇパーティー三昧の日々。



Q.
2007年に 12"レコード"The Feeling" をPlanet-Muからリリースされましたが、どうやってリリースが決まったのでしょうか?

Mike ParadinasがThe Doubtful GuestとPisstankを通じて僕の音楽を聴いた。
そしてある日、彼が僕にメールをくれて、"the feeling"をリリースしたいと言った。

Q.
現在の楽曲制作に使用している機材について教えてください。曲作りにおいてポリシーやルールはありますか?曲を作る時は最初にビートから作りますか?それともメロディーやベースからですか?ベースの音はどのように作りますか?

主にRenoiseを使用。 ルールは無い。制作過程は毎回違ってて、ビートから作り始めるときもあれば、リフから作り始める事もある。ベースの音はVSTかサンプルで作ってる。

Q.
FFFの音楽はDJに使いやすいと思います。DJの視点で曲を作ったりしますか?
貴方は"Amen" を多くの曲で使っています。貴方の思う"Amen" の魅力を教えてください。

僕は必要性があって音楽を作ってる。もしDJが僕の音をかけたいとしたら、それは素晴らしい事だけど、作曲の際は、DJのことはそこまで気にしない。多くの人はAmen Breakは使われ過ぎてると思ってるんだろうけど、それでもまだ僕は好きなんだ。このブレイクには、何かしらの魔法みたいなものがあると思うんだ。

Q.
貴方はレコードコレクターらしいですが、現在どれくらいのレコードを所有してますか?今もレコードからサンプリングしていますか?
貴方が持っているレコードの中で最も希少なレコードを教えてください。

多分5000枚くらい。
うん、今もサンプルしてる。僕にとって、レコードのサンプルは重要。フリマやレコードフェア、そしてレコード屋をまわるのは、すごく新曲作りの刺激になる。

僕のコレクションはこんな感じ:
Bruce Haack – The Electric Lucifer (Columbia – CS 9991)
Mega City 2 – Nightwalker (Extra Terrestrial Recordings – ETR 2)
Ruth White – Flowers Of Evil (Limelight – LS 86066)
Gershwin – Solar Energy / Luminous (Suntribe Records – STAK 02)
Ataraxia – The Unexplained (RCA – APL1-1217)
B-Free – B-Free E.P. (WSCM 1)

Q.
過去に2度来日していますね。日本の印象を教えてください。

すごく好き!!!良い人が多いし、パーティーも良いし、音楽も凄いのが沢山あるし。2度とも驚く程、楽しかったし、やり過ぎなまでに良い音楽に溢れてた!!素晴らしい国だよね。世界一ぶっとんだレコード屋やオモチャ屋もあって。あと、街の至る所にキャラクターがあるよね、あれも良いね。



Q.
貴方は毎年、非常に沢山Liveをしていますね、Liveで大事にしている事は何ですか?多くのフェスティバルやパーティーにLive出演されているわけですが、最も印象に残っているLiveについて教えて下さい。

一番大事なのは、楽しむ事、良い音であること、盛り上がった気持ちでソフトや機材をいじる事。

印象に残ってるライブは山ほどあるんだけど、敢えて気に入ってるライブ体験を挙げるなら、:Bangface weekender (and regular Bangface nights), Ravers Convention (liveset together with Pisstank), Murder Channel, Metropolis festival,Untitled Moscow, Oakgas, などなど。

Q.
現在のオランダのシーンをどう思いますか?オランダは「Gabber」の印象が強いですが、「Jungle」のシーンやクリエイターもいるのでしょうか?
貴方のお気に入りのオランダ人アーティストを教えてください。

オランダでは、Gabber(もしくは、全ての4/4強打系)は本当に随時人気だ。BreakcoreのパーティーやDrum & Bassのパーティーの中にもGabberは存在してるし、その影響は至る所に現れてる。

Jungleのシーンはここ数年でどんどん成長してる。2012年は間違いなく新しいDJやアーティスト、団体等が現れた年だったと感じた。

現在のお気に入りのアーティストは:
Apzolut
http://soundcloud.com/apzolut
Junglefever
http://soundcloud.com/junglefever
Newk
http://soundcloud.com/newk
Copacod
http://soundcloud.com/copacod
Deformer
http://www.redrumrecordz.com/
Monotron_nl
http://soundcloud.com/monotron-nl
Capslock
http://soundcloud.com/joriscapslock

Q.
Encounters Recordsを始めたきっかけと、レーベルコンセプトを教えて下さい。

レーベルを作った最大の理由は、僕らが好きな人が作った音をリリースしたかったから。僕らのシーンや仲間には、素晴らしい音楽を作ってるヤツが山ほど居る。だが、彼らの音楽は殆ど知られていない。だから、そういう音楽をもっと表に出したいと思ったのがきっかけだ。

Q.
今後のリリーススケジュールを教えてください。

現在計画中のリリース:
Murder ChannelからDieTraxとの二度目のコラボレーション・アルバム、PRSPCT RVLT、MindbunnyとMurder Channel、そしてVoodoo Magicからの12"レコード。新しいフルレングスをMurder Channelから。その後は、リミックスとコンピがいくつか。

翻訳:KYOKA
※このインタビューは2013年1月21日に行われた物になります※