2017年8月6日日曜日

KIKI HITIOMIによるDOKKEBI Q / Hardcore Cherry Bon Bon 全曲解説!



MURDER CHANNELからリリースされたDeath Dubユニット「DOKKEBI Q」の1stアルバム「Hardcore Cherry Bon Bon」をDOKKEBI Qのボーカルでありデザインも手掛ける「KIKI HITOMI」さんによるアルバム全曲解説を公開!




1. Dalston Market

イーストロンドンのDALSTONで暮らし始めたのが2005年、Gorgonn と出会って、音楽を作り始めたのが2006年。
DALSTONには実際、食材、生活用品、海賊版アフリカンDVDやCD、衣料品などほとんどなんでも揃う?マーケットがあって、そこではアフリカ人、ジャマイカ人、パキスタン人、中国人、トルコ人などなど、人種のるつぼ。
このスキットはアルバム仕上げの最後に相方のGorgonnと実際にマーケットに行って録音したもの。生活感バリバリのフィールドレコーディングとなりました。

2. Dalston Imperfection


英語、韓国語、日本語の3カ国語で作られた曲。人種のるつぼLONDON、DALSTONで音楽を作り始め、DOKKEBI Qを結成し、生活にストラギングしながらも、DJ100窓さんのDubstep JP MIXに入れていただいて、逆輸入系でロンドンでDubstepの波にいきなり乗り出し、いろんな所でパフォーマンスのオファーが入り、ためらいながらも、がむしゃらに自分を信じて前進あるのみだった頃に作った曲です。
Imperfection will be your confirm, so Let go, let goと歌詞にもあるように、Imperfection=不完全でも良い、自分を受け入れ自分らしく、を呪文のように唱えていたな〜。

3. Gobbledygook


Gorgonnと2曲目に作った曲。
初めてTHE BUG(Ninja Tune)の曲をGorgonnから紹介してもらい、衝撃を受け、この曲ができた。当時はレゲー派でラガは好きではなかったのですが、THE BUGの楽曲で一気にいろんな扉がオープン。それまでレゲーばかり聴いていたのが、沢山のジャンルの音をスポンジの用に吸収しました。Gobbledygookとは無意味な言葉、謎めいた言葉、ややこしい言葉。
歌詞にも、mambo jumbo, hoity toity, wishy washyなど、変わった言い回しを沢山使っています。言葉遊びが楽しくなって来た時期です。

4. Black Tango

Black Vomitの前奏としてライブでインプロで演奏してしていたのを録音し、アルバム用に短くGorgonnが編集しました。私がハーモニカをディレイで飛ばしで吹いていたのですが、それがタンゴを思い出させる哀愁があったのでこの名前になった感じです。

5. Black Vomit


Black Vomit とは医学用語でYellow Fever (黄熱病)。ロンドンに長年住んでいて、人種差別も肌で体験して、人種を凄く意識するようになりました。東洋人びいきや東洋人好きの人に、'oh, you've got that yellow fever!’とかいった冗談を使っていたら、ふとこのYellow Feverを辞書で調べてみると、Black Vomitが出てきて。ブラックゲロって、強烈な感じ。。最初はバンド名をこれにしよかと思っていたんですが、問題おきそうな感じの名前?もしくはメタル系かと思われそうで、やめました。で、歌詞が罪と罰みたいな懺悔の曲ができて、悪い事したら改心して悪いもの体から出した方が自己破滅するよー、っでBlack Vomitになりました。初めて Gorgonnと一緒に作った曲で、いろんな所で評価され、この後どんどんDOKKEBI Qの曲ができていきました。

6. Hardcore Cherry Bon Bon


サビで、'Come and get me, you can test me, but you can only taste my chocolate. I 'm a hard-core cherry bonbon, you get me?' とあるんですが、世界中のがんばってる女の子に捧げる曲です。女の子=Cherry Bon Bon=中身はかった〜いCherryで外側はチョコレートコーティング。
Cherryは英語では女性器にも例えられ(作った当初は知らなかったんですが)、よく聴くとちょっとセクシーな曲になったような。。アルバムのタイトルにもなりましたが、私も一番好きな曲です。ライブでは演歌っぽく、日本語でサビを入れて、こぶしを転がしています。

7. English Weather Boy


その題名のとおり、イギリスの天気の用にころころ気の変わる男の子を歌った曲です。昔、こんな感じの男の子に悩まされた事もあるし、English Weather Girlと言われた事もあります、、。惚れた方の負けですね。。

8. Land Ahoy


航海で大陸を発見したり、陸が前に現れた時に使うかけ声で、船から大声でLAND AHOY(大陸発見!)とマストの先で船頭が叫びます。
You can run away but you can't hide. Drop your golden rules and you will rule.Ten gallon of tears is enough to feed to make new homeland  filled with nature

逃げる事は出来ても、隠れれないよ。現実を受けとめ、固定観念を捨てると、前に進めるよ。沢山流した涙は新しく満ち満ちた大陸(homelandとなる)をつくる。生まれ変わりたい時、くじけた時に聴くと、元気になる曲です。

9. Skank into the Sky


これはラブソング。ロンドンから離れて、旅先でロマンティックな経験をしました。でもロンドンに帰ってきて、現実。。白昼夢を見そうなぐらいに、ロマンスに酔いながら書いた曲です。
ラガの部分は現実のDALSTONライフ。他の部分は思い出を妖艶に歌っています。旅先の夜空の星空で少し雨にうたれながら、 Skank(ダンス)したのが目を閉じれば今もそこに行けます〜。

Oh we are lifting up into the sky
It's a rainy navy baby blue sky
Let's close our eyes once more
The darkness lead us to the night
We can skank out softly and tight

10. Cuckoo Clock (Black forrest to the holy street)


2部作に分かれて作った大作。第一部 ’Black forrest ’はメタルのお友達、Ramessesのアダムをギターに迎えた、地獄バージョン。
第二部‘Holy Street' にはテキサスのSXSWのフェスでお世話になった、妖精のような美男子クリスチャンにギターを弾いてもらった、天国バージョン。
失恋から立ち直れない、友達の男の為に作った曲です。極楽浄土に行けるように作りました。今ではかわいい彼女が出来、祈祷が叶いましたな。よかった。ドイツに実際ある森、’Schwarzwald’ 通称'Black Forest' は鳩時計の生産でも有名な地域。Cuckoo Clock(鳩時計)が失恋地獄から目覚めさせてくれます!

アダムのバンド、Ramesses。 www.myspace.com/ramesses666
妖精クリスチャンの音楽はここで聴けます。  www.myspace.com/drizztian

11. I Can’t Spell his Name


まだGoronnと出逢う前に凄くローファイな曲を作っていた時期に、DUNCANという男の子と一緒に働いていて、どうしてもDUNCANというスペルが覚えられなくて、作りました。丁度DUNCANも失恋で荒れていた時期で、バースデイに曲をあげたら凄く喜んでくれました。今では美女の彼女ができて、幸せに暮らしています。そのデモをGorgonnが気に入って、新しく録り直して作った曲です。ドナドナの用に悲しい感じなんで、最後のエンディングにしました。