2017年8月5日土曜日

INTERVIEW / Dead Fader



Dead Fader

https://deadfader.bandcamp.com/

2010年にUKの次世代インダストリアル・ユニット「CLOAKS」主宰のレー ベル「3by3」から発表されたデビューアルバム「Corrupt My Examiner」でアンダーグラウンド・シーンに衝撃を与え、King Cannibal、Hecq、BO NINGENへのリミックス提供や、Kid606主宰レーベル「Tigerbeat6」からのEPリリースで、エレクトロニックミュージック・シーンからノイズミュージック・シーンのリスナーまで虜にし、Justin K. Broadrick(GODFLESH)、Clark、Aaron Turner(Isis)らからも絶賛されている注目の若手電子音楽家。

枠にとらわれないノイジーでハードなビートとベース、唯一無二のデジタル・ディストーションサウンドで世界中のダンスフロアを熱狂させており、インダストリアル・ファンクと称されるDead FaderのLiveパフォーマンスは非常に評価が高くヨーロッパを中心に様々な大型フェスティバルに出演している。



Q.
貴方の出身地と年齢を教えてください

出身はベッドフォード、ロンドンから北に1時間くらいのところ。
あまり刺激のない場所なんだけど、むしろそのおかげでパーティーにもあまり行かずに、音楽をたくさん作る事が出来たのかも。年齢は23歳。このシーンじゃ、まだまだ若い。まるで赤ん坊。

Q.
どんな環境で音楽を聴いて育ちましたか?

学校には全然興味がなかったな。毎日家に帰ったらすぐ、コンピューターの前に座って作曲してた。ドラムとピアノもかなり練習した。
僕の音楽の背景は、かなりエレクトロニックで、今だにスクエアプッシャーやエイフェックスを初めて聴いたときの衝撃を覚えてる。でもその前、幼少期は、‪‪ヴァンゲリス‬を聴いてた。当時大好きで。

Q.
Dead Faderの名前の由来は?活動当初をどんな音楽を作っていましたか?

これといって音楽性には関係ないんだけど、Dead Faderは、『ミキサーのフェィダーが壊れてる』って意味。
Dead Faderの最初の曲は「Bitchface」 って曲だった。その曲以前は、ノイズやダンスミュージックを作ったりしてた。でもある日、良さげなダブステップをでっかいシステムで聴いてたら、それをもうちょっとノイジーにして荒らしてみたいと思った。背景はエレクトロニックだけども、今まで聴いたやつよりも、敢えてもっと重たい音で作りたかった。



Q.
ノイズ、ヒップホップ、ダブステップの要素をDead Faderの音楽から感じます。これらのジャンルに影響を受けていますか?
あなたのビートの重さやグルーブはヒップホップから、そしてベースラインと音の広がりはダブステップから、テキスチャーや視点はノイズから来ているように思えます。あと、ホラー映画からの影響も感じますが、ホラー映画からも影響はされてますか?

おぉ!すごい、大正解!
数年前、俺は完璧にダブステップに影響されてた。でも、ビートは、ヒップホップにハマってた、特にそのグルーブに。もちろん、俺の音はあらゆる面を、ノイズミュージックにインスパイヤされてるし、バリバリした音もサクサクした音も、ハチャメチャな音も全部好きだ。

ただ、ホラー映画には影響されていないかな。でも、SF映画は常に好きだ。
Dead Faderは極端なエネルギーに溢れてるから、人のエネルギーをシャーマンみたいに音楽にチャネリングしたり、追っ払ったりするんだろうね。

Q.
貴方の音楽はポストダブステップ、もしくはノイジーダブステップと認識されていますが、貴方は共感出来ますか?貴方の音楽をジャンルに当てはめる場合、共鳴することができるジャンルは何ですか?

正直わからない。そういうのは、あるがままで良いと思うから。
皆、その時点で一般的じゃない音をカテゴライズしたがるみたいだけど、正直難しいよね。
例えばCloaksやNHK、Ben Frost、Devilmanも、俺と同様、カテゴライズが難しいアーティストだろ。確かにノイズではあるけど、近頃のダンスミュージック要素だって入ってる。
面白い事にインダストリアル・ファンクっていう人も最近いるけど、まぁでも、そんなもんかね。ははは。

Q.
貴方の1stアルバム「Corrupt My Examiner」の制作はいつから始まりましたか?
リリース元であるレーベル「3by3」との出会いを教えてください。オーナーであるCloaksとは何処で出会いましたか?彼らの音楽を知っていましたか?

あのアルバムを作るのには数年かかった。
確か、曲は2008年に作り終えてて、それから、編集に時間がかかって、次にアートワーク、で、遂に2010年に完成した。

Cloaksとは、2008年のbloc festivalで知り合った。音も素晴らしかった、すごいヘビーで。その後、暫くして、スティーブ(Cloaks)が連絡をくれて、CloaksとDead FaderとOyaarssでレーベルを始めたいって言われた。
彼がやってくれた事に凄く感謝してる、だって、他のレーベルで俺たちみたいなことをやってる人はいないからね。



Q.
Dead Faderのノイズサウンドはどの様にして作っていますか?アナログ機材は使用していますか?曲を作るときにダンスフロアを意識していますか?もしくは無意識に曲を作っていますか?

かなりの人が、これを言うと驚くけどトラックは全部デジタル。Reasonっていうソフトで制作してる。
俺は、皆みたいにクールなソフトを使ってないし、自分自身でReasonだけを使うことを制限してる。
大多数のノイズミュージシャンはデジタル技術を使うのに抵抗を感じてるらしいけど、そんなの馬鹿げてると思うんだ。何を使ったって自由だろ。

あと、そうだな、俺は作曲中に、踊ったりして、曲に合わせて動いてる。それによって、曲に何かが加わるんだ。
何か尖ってて、もっと強烈なバイブのある何かって必要だろ。テンションが熱狂する何かが音楽には必要なんだ。

Q.
現在のUK/EUのシーンをどう思いますか?Dead Fader、Cloaks、Broken Note、Hecqなど、最近多くのヘヴィーでダークな音楽がリリースされていると思います。現在のシーンをどう感じますか?

ええと、あまりわからないな。
ダークミュージックのシーンとまでは思わないけど、ヘビーでやばい音は今も出てきてるわけだし。Loops HauntやNHK、Gum takes tooth、Baconhead、Emptysetの楽曲は、かなりど真ん中だよ。
更に言うと、このアーティスト全員集めたレーベルなんてあったら最高だね。

Q.
貴方の次のリリースは決まっていますか?今後どんな種類の音楽を作りたいですか?

リリース予定はいくつかすぐあるんだけど、まだ言えない。
最近は、よりメロディアスな曲を作ってる。メロディーって楽しい。メロディアスな曲って、より個人的だと思うし、相当良い曲ができてるから、アルバム出すのを本当に楽しみにしてる。

俺自身は、いろんなスタイルの音楽を作ってるけど、これまでにリリースされてるのはヘビー系のデッドフェィダーだけだから、皆がそれ以外の俺の音楽も楽しんでくれたら嬉しいと思ってる。



翻訳:KYOKA

※このインタビューは2011年10月23日に行われました※